リスニングの正確性を上げるにはディクテーションが有効
この記事では、ディクテーションにどんな効果があるのか解説しながら、活用できるYoutubeチャンネルをご紹介していきます。
突然ですが、皆さんは以下の2つのセンテンスの意味の違いがわかりますか?
- I’d been working on this.
- I’ve been working on this.
1:(過去に)これに取り組んでいました(=もう終わった)
2:今までこれに取り組んできました(=継続中)
▲「’d」の部分と「’ve」の部分が聞き取れなければ、その作業が終わっているのかいないのかわかりません!ビジネスでのやりとりなら、誤解が生まれてしまうことにもなりかねません。
今回ご紹介する【ディクテーション】は、リスニングの正確性を高めるのにぴったりの学習方法です。
適切な教材を選べば、初級者から上級者まであらゆるレベルの方に効果を発揮します。では、ディクテーションについて詳しくみていきましょう!
そもそもディクテーションとは?
「誰かが声に出して読む文章や、CDなどの音声を聞きながら、ノートに書き取る練習」
簡単に言うと「耳で聞きとった情報を文字にする」のがディクテーションです。
聞こえてくる音声を自分で文字にする練習なので、
リスニング力の向上に非常に効果を発揮します。
また、ディクテーションの練習では厳密さが重視されます。
洋画を観ている時に「あ、今なんとなく聞き取れた」という経験は多くの人にあるかと思いますが、
ディクテーションをする時はそのように「なんとなく」聞いてはいけません。ひとつの文章やある程度まとまったセクションに集中して「音と文字」を一致させます。
💡どれぐらい正確に聞き取れているか、自分自身をテストするような作業とも言えます!
ディクテーションの効果
「集中して聴く練習」をすることで、相手の話を正確に理解できるようになる!
子どもたちが英語の学習を始めるとき、
「フォニックス」を最初に身に着けることが大事だと言われています。
「フォニックス」とは、英語の「音」とアルファベットをセットで覚えること。
例えば「stir」という単語を知らなくても、
「ir=“あー“に似た音」という法則が身についているので、
きちんと発音することができるのです。
つまり、フォニックスを身につければ英語の発音と単語の綴りの関係がわかるという事です。
そんなの学校で習ってないぞ!だから自分はスペルミスが多いのか!
残念ながら大半の大人の英語学習者は、フォニックスを身につけていません。
そのまま英語学習を進めると、音声=文字が一致しないので、結果聞き取りや発音に苦労してしまうのです。
しかし、そんな悩みもディクテーションを継続して「文字と音の法則」がわかってくることで、改善が見込めます。
聞き取れなかったところを勉強すれば、文法の弱点の改善に!
聞き取れなかったり、間違えてしまったりする理由にも色々あります。
- 「その単語を知らなかった!」
→ボキャブラリーを強化する必要がありそうです - 「文法を間違えて覚えていた!」
→正しい文法をおさらいしてみましょう - 「予想と違うことを言っていた!」
→ディクテーションの継続で、ある程度「次なにを言うか」予測できるようになります - 「もともと単語を発音していない!?」
→まずはネイティブが自然なスピードで話す時に起こる音と音のコネクションや、“リダクション=音が消えること”に慣れていきましょう!
ディクテーションを何度かやっていくと、
このように自分がどこでまちがえやすいのか気づくことができます。
今後何を重点的に学習したらいいのかの目安にもなりますね。
やり方・始め方は?
聞こえた単語をどんどん書きましょう
まずは、わからないところをどんどん飛ばしながら、とにかく「聞いて、書く!」です。
「文章の最初と最後だけわかった」ということもあれば、「単語しかわからなかった!」ということもあります。
最初は自分が聞き取れた部分を書ければOKです。
何度も聞くのがポイント
ディクテーションは正確に聞き取れるまで何度も同じ音声を聞くことも大事です!
最初は聞き取れなかった部分が、2回目、3回目でだんだんわかってきて、最終的に理解できるようになるまで聞き込みましょう。
YouTubeの動画を活用
自分の好きな時に好きなだけ英語を話してくれるネイティブが隣にいれば、英語力はどんどん上がります…
「そんな人いないよ」という方が大半だと思いますので、動画をとことん活用しましょう!
ディクテーションの素材に向いているのは、
長すぎず、ある程度トピックが絞られているものです。
海外ドラマや洋画は、展開がわからなかったり、長すぎたりするので
あまりディクテーションに向いているとは言えません。
その点、Youtubeにアップロードされている動画は、
タイトルを見れば大体の内容の予測がつきます。
また、長さも適度なボリューム感のものが多いです。
ちなみにYoutubeには全世界から1分間で合計500時間分もの動画がアップロードされていて、
そのうち33%は英語で話されているそうです。
ものすごい量の英語の動画が無料で公開されているということですね。
(出典:23 YouTube Statistics that Matter to Marketers in 2020)
また、日本人が日本語で英語を解説する動画も人気のようです。
勉強にはなりますが、ディクテーションに向いているとは言えません。
全て英語で話されている動画を、緊張感を持って見る方が、
ディクテーションやリスニングの練習になると言えるでしょう。
👉その中から、自分に合った素材をどうやって見つけたらいいのでしょうか?
自分に合ったディクテーション教材の見つけ方
僕の好きな野球選手のインタビュー動画がある!字幕はないけどディクテーションに良いかも!
I’d like to thank #%$&…トロフィー..
…..
うーん!I’d like toしか聞き取れないし、トロフィーのスペルがわからない!
せっかく興味がある動画を見つけても、全く聞き取れないこともあります。
ネイティブが早いスピードで話していれば、何度再生してもわからないのは当たり前。
そんな時、答え合わせはどうしたらいいのでしょうか?
Youtubeには英語字幕を「自動生成」してくれる機能もありますが、
残念ながらあまり精度は高くありません。
英語のスピードが早すぎる、方言が強い、語彙が難しいなど、
ディクテーションに向いている動画は思ったより多くはないようです。
英語学習者用ディクテーション動画へのリンク(随時更新中)
◆そんな方のためにディクテーション専用のプレイリストを作りました!
ディクテーションって何だかすごそう。やってみたい!という方は必見です。
English Lessons with Laura のディクテーション動画のポイント
・最初はネイティブスピードにチャレンジできる!その後徐々にゆっくり発話するから自分のレベルも確認できて、ディクテーション初心者にもわかりやすい内容
・初級用、中級用、上級用のプレイリストから、自分に合ったレベルを選べる!
・英語学習者が聞き間違えやすい文にフォーカスしているから力がつく
・どうしてそんな音になったのか?音と音のコネクションがわかりにくく、学習者にとって難しい部分や、リダクションについての解説あり
最初はしっかりとした解説がついた動画から初めてみるのがおすすめです。
他にもディクテーション用の動画を豊富に準備しています。
YouTubeのプレイリストからどうぞ!